物語の可能性を追求するブログ。

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ひとこと読書レポート:『食堂かたつむり』

『食堂かたつむり』(小川糸)

 

 

 同棲していた恋人に全てを持ち去られ、失恋や喪失のショックから倫子は声を発することも出来なくなってしまう。彼女は山あいにある故郷に戻り、1日1組限定の小さな食堂を始めることになるのだが…、というお話。

 私は食事の描写が好きで、食べ物が出てくるマンガや小説をよく読むが、その中でも『食堂かたつむり』は特に好きな作品の一つである。細やかな食べ物の描写からは、食材への敬意や確かな美味しさがありありと伝わってくる。

 また、どの料理も時間をかけて丁寧に作られており、舞台の農村と相まって作品全体に穏やかな時間の流れが漂っている。読んでいてなんとも心地よい作品である。

 ただまあ、一部ご都合主義的展開が目立ったり、心情描写が乏しかったり、謎に生々しい表現が混じっていたりもするので、その辺りは好みが別れるところかもしれない。