遺跡船道中記

マンガ、アニメ、ゲームなど、好きな作品に関するレビューを中心に、生活やビジネスのこともつらつらと…。自分の「好き」を少しでも多くの人と共有できたら嬉しいです。

コンテンツへの理解が深まるおもしろ本まとめ

 

 自分が普段楽しんで消費しているマンガやアニメ、ゲーム、映画などのコンテンツを、もう少し深く学んでみたいと思ったことはないだろうか。

「この作品は、どのようなモデルで収益を生んでいるのだろう」

「コンテンツを批評する人たちはどんなところに着目しているのだろうか」

「各種コンテンツはどのような変遷を辿ってきたのか」

などなど、気になるポイントはたくさんある。

 作品や作者、その背景などへの理解が深まれば、今後のコンテンツの楽しみ方にも幅が出てくるのではないだろうか。というわけで、今回はコンテンツへにの理解を深めるためのおもしろ本を紹介していく。

 

▼おすすめ本一覧

詩学』(アリストテレース)

 古代ギリシアの哲学者、アリストテレスによる文学論。広く物語性のある作品全般に通ずる、普遍的な文学理論が展開されている。

 古典と聞いて敬遠する方も多いかもしれないが、解説が豊富で読みやすい。文章も比較的平易である。物語…、特に「悲劇」の本質や骨子を掴み、今後の鑑賞に役立てたいという人におすすめ。

 

 

『批評理論入門―『フランケンシュタイン』解剖講義』(廣野由美子)

 小説において使用されるテクニックと、作品分析の方法論についてまとめられた1冊。非常によくまとまっている上に、『フランケンシュタイン』という実際の有名作品を事例としているため分かりやすい。

 

 

『図解入門業界研究最新コンテンツ業界の動向とカラクリがよくわかる本[第2版]』(中野明)

 コンテンツ(業界)の概観や、ゲーム・映画・放送など各業界の動向や展望がまとめられたコンテンツビジネスの入門書。市場規模やビジネスモデルなどの大枠を掴むことができる。図が豊富で理解しやすい。

 また、2013年発行ということもあり、比較的最近の事例まで扱ってくれているのがありがたい。ビッグデータってこの頃から話題になってたのか…。コンテンツビジネスとはどういうものなのか、広く浅く理解したい人におすすめ。

 

 

『コンテンツの秘密ーぼくがジブリで考えたこと』(川上量生)

 株式会社KADOKAWADWANGO代表取締役社長、川上量生氏による著作。筆者が「プロデューサー(見習い?)」として所属するジブリ作品を取り上げつつ、コンテンツの定義、情報量、表現などについて考察がなされている。

 コンテンツの定義を探るための『詩学』への言及、コンテンツ認識における脳の働き、人工知能ディープラーニングなど、多角的な見地から考察がなされており非常に興味深い。

 

 

『ぼくらの仮説が世界をつくる』(佐渡島庸平)

 講談社で数々のヒット作を担当し、現在は作家エージェント会社コルクの代表を務める佐渡島庸平さんの仕事論。筆者自身の経験を基に、インターネット時代のビジネスにおける思考法などがまとめられている。

 『ドラゴン桜』や『宇宙兄弟』などの普及に向けた独特のアプローチなんかも載っていて興味深い。出版関係のコンテンツに興味がある人向け。普通にビジネス本としても良作。

 

もう少し長めの感想はこち

tsnormin187.hatenablog.com

 

 

 

 

『ナナのリテラシー』(鈴木みそ)

 電子書籍とソシャゲに関して、クリエイターとコンサルの奮闘を描いたマンガ。2013年発刊で、当時の出版・ゲーム業界の変化と、それに対するクリエイターの想い、試行錯誤がよく分かる。

 作者の鈴木味みそ先生は電子書籍個人出版でヒットを飛ばしており、自身の体験がマンガ内で詳細に語られている。クリエイター側の視点からコンテンツビジネスを眺めてみたい人向け。

 全3巻で、1,3巻が電子書籍、2巻がソシャゲといった感じ。個人的には2巻のソシャゲ回が面白い。「ドラッグ」とまで称されるガチャゲーの問題点、ゲーム業界のビジネスモデル転換を的確に描き、尚且つ『Pokémon GO』のようなゲームアイディアまで掲載されている。先見の明が感じられる1冊である。

 

 

ゲーム的リアリズムの誕生 ―動物化するポストモダン2』(東浩紀)

 東浩紀氏による著作。オタクの消費行動から現代社会を分析する文化論。オタク研究・サブカル研究における名著。

 後半の個別作品論は実際にその作品に触れてないと少し分かりにくいかも。ネタバレも多いので注意が必要。

 

 

ユリイカ ―ソーシャルゲームの現在』(青土社)

 『Pokémon GO』や『Fate Grand Order』など、今や社会現象となったソーシャルゲームに関する論がまとめられている。

 狭義のソシャゲだけではなくARやVR、Switch、PS4などゲーム系エンタメ全般に広く言及されているのが興味深い。2017年発行ということもあり、タイムリーな話題に触れることができる。

 寄稿者の方々がたくさんいらっしゃるので、気になる方の名前で検索をかけて分野を深堀りしてみる、なんてことも可能。スマホゲーの隆盛や構造、或いはゲーム―社会の関係などに興味がある人向け。

 

 

▼おわりに

 書いてみて、タイトルを大きく掲げ過ぎたことを反省した。「コンテンツ」は、ちょっと対象範囲が広すぎる…。

・コンテンツの種類は何か(マンガ、ゲーム、映画、小説…)

・どの学問からの分析か(社会学、心理学、文学、言語学歴史学、美学芸術学…)

・批評かビジネスか実践か或いは…

・ジャンルは何か(恋愛、SF、ホラー、ミステリー…。或いはRPG、パズル、ADV…)

などなど、様々な区分けをして深掘りが可能だと思う。

 

 今回は紹介した本はコンテンツを広く扱ったものが多いので、これを端緒に個々人の興味を掘り下げ、知的好奇心を満たしていってほしい。ニッチな需要にこたえる本やオンラインコンテンツは意外と存在するものである。

 

 さて。テクノロジーの進歩に呼応するかのように、コンテンツの世界もまた日進月歩で変貌し続けている。今後も日々アンテナを張り、好奇心旺盛に学び続けていく姿勢を持ち続けたい。社会人になってからもアクティブにオタクしたいなーと思う今日この頃である。