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徒花草

マンガ、アニメ、ゲームなど、好きな作品に関するレビューを中心に、生活やビジネスのこともつらつらと…。自分の「好き」を少しでも多くの人と共有できたら嬉しいです。

3巻以内で完結するおすすめマンガ13選【短期完結/名作】

 有名どころからちょっとマイナーなものまで、3巻以内で完結しているおすすめのマンガを紹介していきたいと思います!

 

▼『外天楼』(石黒正数):全1巻

 「外天楼」と呼ばれる建物にまつわる9つのお話。個人的に、石黒正数先生の最高傑作です。僕はこれを読んで短編集にドハマりしました。序盤は1話完結で独立したお話が続きますが、中盤からはそれらが一気に収束し、怒涛の展開を迎えます。

 SFをベースにしたクオリティの高いギャグとサスペンスに加えて、社会風刺的な内容も至る所に見られ、最後まで読者を飽きさせません。藤子・F・不二雄先生の『ミノタウルスの皿』のようなSF(すこしふしぎ)な話が好きな人には特におすすめの一冊です。

  

▼『藤崎竜作品集 3 天球儀』(藤崎竜):全1巻

 『封神演義』『銀河英雄伝説』等で有名な藤崎竜先生の短編集。デビュー当時に発表された話から最近の話に至るまで、全8話を収録。藤崎ワールドの入門編にふさわしい1冊となっています。これが気に入った方は、封神演義』も是非読みましょう!中華ファンタジーの傑作です!

 この1冊だけでも相当数の短編が収録されていますが、実は全部網羅できているわけではありません。別の単行本で読めるものとしては、「WORLDS」と「SHADOW DISEASE」の2話が抜けてしまっているのです。個人的に大好きな話なので、「なんで抜いたんだ!?」って感じなのですが…。まあ、人肉が出たりするダークな話なので、表現上の問題もあったのかもしれません。こちらの2話が読みたい方は1992年発売の『WORLDS』をどうぞ。

 

▼『ダメッコ!ダリア』(D[di:]ディー):全1巻

 ファッション雑誌『KERA』で連載していたマンガ。進路や人間関係に悩む女子高生ダリアを中心とした青春グラフィティとなっています。表紙から漂うサブカル臭がたまりません…!なんか全体的にお洒落な感じですね。

 自分のコンプレックスや欠点に苦しみながらも力強く邁進していくダリアたちを見ていると、こっちも元気が湧いてきます。あとテディが可愛いです。

 

▼『どうにかなる日々』(志村貴子):全2巻

 志村貴子先生が贈る少しエロティックな短編集。ノーマルな恋愛から百合、BLまで多種多様なジャンルが掲載されています。個人的には従姉がAVに出演しちゃった少年の話が印象的。志村先生の作品特有のちょっとヌケた感じの雰囲気が良いですね。なんか和みます。

 

▼『ぼくは、おんなのこ』(志村貴子):全1巻

 同じく志村先生の短編集からのチョイス。いや、もうね…、僕はよしながふみ先生とか志村貴子先生とか中村明日美子先生みたいな、アブノーマルな恋愛モノが描けるタイプの作家さんが大好きなんですよ…。『マンガ・エロティクス・エフ』に載ってそうな感じの。

 学生時代に教師の真似事のような事をしていたので、教育実習生が主人公の「楽園に行こう」がお気に入りです。「はっきり言って慕ってくる子しか可愛いと思わないし、生意気な生徒の進路とか心底どうでもいいと思うし…」というセリフにグッときました。志村貴子先生、教師経験は無いはずなのですが、どうしてこう生々しいセリフがポンポン浮かぶのでしょうか…。やはり天才ですね。

 

▼『愛がなくても喰ってゆけます。』(よしながふみ):全1巻

 よしながふみ先生のグルメエッセイマンガ。1話ごとに先生おすすめのお店が紹介されています。出てくるメニューがいちいち美味しそうで、読んでるとお腹が空いてきます(笑。

 よしなが作品のキャラは一人一人設定が細かく、実際にそこに存在しているかのような人間臭さを醸し出しています。この強いリアリティが、作品の魅力を引き出すのに大きく貢献しているように感じますね。実際のモデルがいるにしても、ここまで魅力的なキャラづくりが出来るのは、よしなが先生の観察眼とマンガ家としての技量があってこそだと思います。

 また、作中で「あたし仕事する時と寝てる時以外はほぼ四六時中食い物の事を考えて生きてんのね。てゆーか仕事によっては仕事してる時も食い物の事を考えてんのね。」と述べられている通り、よしなが作品には食べ物の描写が数多く登場します。気になる方は好評連載中の『きのう何食べた?』なども是非読んでみてくださいね。

 

▼『愛すべき娘たち』(よしながふみ):全1巻

 同じくよしなが先生の作品から。「女という不思議な存在のさまざまな愛のカタチ」を描いた全6話の短編集。莢子の「恋をするって人を分け隔てるという事じゃない」は本当に名台詞だと思います。よしながワールドの導入に向いてるかも。おすすめの1冊。

 

▼『片恋の日記少女』(中村明日美子):全1巻

 大大大好きな中村明日美子先生の作品から。「親子、兄弟、ジェンダーが入り混じったヒトとヒトとの多彩な関係性をおかしくせつなく描いた作品集」。明日美子先生の作品はBL系以外ほぼ全て読みましたが、『片恋の日記少女』『曲がり角のボクら』『鉄道少女漫画』辺りは表現もマイルドで読みやすいです。おすすめ。初期作はもうちょいエログロ成分強いかも。どっちも好きですが。

 明日美子先生は恋愛モノの名手ですね…。今作で言うと「父×娘の友達」とか、読んでてワクワクする組み合わせが多数。画もめちゃくちゃ好みです。特にカラーは水彩画チックな淡い色合いで、とにかくステキ(語彙貧弱)。

 

▼『曲がり角のボクら』(中村明日美子):全1巻

 同じく中村明日美子先生の作品から。『片恋の日記少女』同様、多様な人々の人間模様を描いた作品集。繊細で鮮やかやタッチのイラスト、登場人物の緊張や逡巡が伝わってくる独特のテンポ感、「好き」のベクトルを変幻自在に操ることで生まれる意外性、画で魅せる細やかな心理描写など、明日美子作品の魅力は挙げていけばキリがありません。まずはこの1冊から足を踏み入れてみませんか?(^O^)

 

▼『大斬―オオギリ―』(原作:西尾維新):全1巻

 タイトルは大喜利を掛かってます。『物語』シリーズなどでお馴染みの西尾維新先生が9つのお題から考えた原作を、9名の著名作家がマンガにしていくというもの。集英社ならではの超ウルトラ豪華企画です(笑

 少ないページ数の中にもしっかり起承転結があって、可愛い女の娘がたくさん出てきて、笑えたり、胸がトキメいたり、ゾッとしてしまったり…、これはもうあれですね、「マンガの宝石箱や!!!」って感じ。(古い)

 1話1話のクオリティが高く、非常に密度の濃い作品集です。題材も各話でガラッと変わるので、あなたの好みに合うお話がきっと見つかるはず。個人的なお気に入りは「恋ある道具屋」です。買って損しない1冊。コスパ最高です。

 

 

▼『うみべの女の子』(浅野いにお):全2巻

 『マンガ・エロティクス・エフ』で連載されていた浅野いにお先生の作品。これを恋愛モノ…と言っていいのでしょうか。中学生の小梅と磯辺を軸とした、時に打算的で時に情熱的な人間模様が描かれています。性描写多めですが、エロい!って感じでは決してないです。

 小梅の身勝手さにせよ、マニアックなプレイにせよ、「中学生でここまでするかw」と感じてしまうのは僕が恋愛経験の少ないオッサンだからでしょうか(笑。

 

▼『「猫がいない」短編集 凪を探して』(脇田茜):全1巻

 人間関係や生き方に悩みを抱える女性たちが、「猫」を通して立ち直るきっかけを掴んでいく5つの短編。タイトル通り、彼女たちは「今、ここ」の世界において決して猫と出会うことはありません。しかし、それでも彼女たちに生きるヒントを与えているのは確かに「猫」なのです…。

 「ちょっと何言ってるかわからないw」って方はぜひ単行本を読んでみてください。誰もが感じ得る日常のモヤモヤを物語に昇華させ、幻想的な心理描写で魅せる脇田先生の技量には、高いセンスを感じざるを得ません。

 

 

▼『黒博物館 ゴーストアンドレディ』(藤田和日郎):全2巻

 『うしおととら』などで有名な藤田和日郎先生の『黒博物館』シリーズ第2弾。「近代看護教育の母」とされるフローレンス・ナイチンゲールの生涯をベースにした伝記アクションとなっています。

 藤田先生の作品はアニメ版『うしおととら』くらいしか触れたことがなく、その特徴的な絵柄からなんとなく敬遠してしまっていました。そんなある日、NHK Eテレ浦沢直樹の漫勉 藤田和日郎特集』でこの作品が取り上げられていたんですね。それで興味を持って、Amazonでポチってしまったという経緯です。

 いやしかしまぁ…、制作過程を観ると、その作品に対する見方も変わってくるものですね。番組で印象的だったのが、藤田先生の表情へのこだわりです。第24話3ページ目に現れる宿敵デオンの表情(特に目)は、「化け物っぽさ」を最大限引き出す出すために〆切直前まで推敲がなされていました。藤田先生が粘りに粘って表現したその狂気、ぜひ実際に読んで確かめてほしいと思います。

 実際の有名演目からセリフが引用された熱い会話劇や〈生き霊〉たちによる剣戟など、見どころがありまくりで、序盤から一気に引き込まれました。2巻という少ない巻数でも相当な充実感を得られる作品です。