遺跡船道中記

マンガ、アニメ、ゲームなど、好きな作品に関するレビューを中心に、生活やビジネスのこともつらつらと…。自分の「好き」を少しでも多くの人と共有できたら嬉しいです。

感想:『劇場版ソードアート・オンライン –オーディナル・スケール-』【ネタバレあり】

 『劇場版ソードアート・オンラインオーディナル・スケール-』を観た感想を書いてきます。なお、ネタバレを含むのでまだ観てない方はご注意ください。

 また、筆者はSAOに関してはアニメ全話観た程度の知識しかないのでニワカ発言等はご勘弁ください…。

 

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▼過去シリーズキャラ総出演のお祭り感が最高

 燃えたー!萌えたー!

過去シリーズのキャラがたくさん出てきましたね!! 特に100層ボスのバトルでの全員集合感がもう…!!!!! たまらねえぜ!!!!!!

 今作で一番好きなシーンはアスナとユウキによる連撃のシーンです。もう本当に最高でした。マザロザ大好きなんですよねー…。あそこで泣きました。

 とりあえず、「過去の強敵や味方が協力してくれて、強大な敵を倒す」みたいなシチュは非常に燃えますね。鎮火できません。

 この辺のお祭り感は映画ならではって感じで最高でした。スタッフ、わかってるね!

 

 

▼巧みな緊張感の演出

 毎度毎度思うのですがSAOは緊張感の演出が非常に巧いなと感じます。ラノベにありがちな西洋ファンタジー設定とか異世界転生モノであれば、世界が単一だしその世界での死は文字通り死なので、緊張感を作るのが比較的容易だと思うのです。例えば強いモンスター出すとか、反乱軍が攻めて来たとか。

 しかしSAOはそうではありません。彼らが奮闘し、攻略に躍起になるのは基本的にゲームの中なのです。いや、というか「ゲームのバーチャルな世界での生と現実の世界での生をどう捉えるか」っていうのもSAOの大きなテーマの一つですよね。時に境界が曖昧になったり、リンクしたり、リアルと虚構のギャップに苦しんだり…。

 まあそういうわけでSAOは基本的にゲームとリアルという2軸の世界が存在するので、ゲームの中での「一生懸命さ」はともすれば「滑稽」に移ってしまうはずなんです。

 しかしSAOはこの「滑稽さ」を晒さず、読者に「ガチの緊張感」を与えてくるから面白い。ではその緊張感をどう持ってくるのか。そこで重要になってくるのがやはり「現実」なのです。

・SAOではゲームの死が現実の死に直結しました。

・ALOでは入院中のアスナの命が懸かっていました。

・GGOでは…ええっと何だっけ忘れました。デスガンさんがいました。

 

 このように、まあ主に「現実の死」を持ち出すことで登場人物や読者に緊張感を与えることに成功してるわけですね。そして今回緊張感を持ち出すために用いられたのが「記憶」なのです。「死」ばかりのマンネリを防ぐという意味でも、エンディングの流星群への繋ぎとしても、AIへの記憶のデータとしての利用(=SF的な要素)としても、非常に巧みなチョイスだったなと思います。

 

 

▼「記憶」をどう捉えるか

今作の重要なテーマの一つはこの「記憶」だったように思います。

テクノロジーの弊害とも言えるのでしょうか。脳への干渉が過大になり、今作では記憶の操作が容易になってしまっています。重村教授は他者の記憶からユナに関する一部を奪い、AIとしてよりオリジナルに近い悠那を作ろうとします。最終的にはユナ(悠那??)本人に否定されてしまうわけなんですがね…。「お父さん自身の想い出の中で生き続ける」…みたいなことを言っていた気がします。

 

ユナや重村vsキリトの問答も印象的でした。キリトが必死で守り、取り返そうとする記憶は本当に必要なものなのか。つらく苦しい記憶なら、忘れてしまってもよいのでは??

或いは今思い返している記憶が本当に正しいのかも分からない。私たちは意図的に「そうあってほしい」過去を選択しているのではないか…。

 

 最終的にキリトたちは過去を捨てない選択をし、ユナの生きた証は皆の記憶の中に、そしてSAOの記録に記されます。このように、

 

・人間の記憶(≒過去)をデータとして活用すること(≒未来)のリスクは??

・自らの過去とどう向き合うか。そしてそれを今にどう活かすのか。

・忘却という摂理の過程で、「記憶の外」に置かれてしまう人も一定数いる。私たちはそうした人々の存在に意識的でなければならないのではないか。

 

 など、「記憶」に関して様々な考えを巡らせることができるのが、この映画の魅力かなと思います。

 

梶浦由記氏による音楽

 Fate zeroにしてもまどマギにしてもSAOにしても…。本当に梶浦さんの功績は大きいですね! 

 今作は主に「ユナによるLIVE」という形で多様な楽曲が用いられていました。作品を彩るうえで欠かせない役割を担っていたと思います。

  

 

▼繰り返す過ち…。テクノロジーの進化がもたらす光と影

 フルダイブ型のVRシステムの反省を活かしてARのオーグマーが開発されたわけなんですが…。やっぱり色々トラブル起きちゃいましたね。

 個人的には『Pokemon go』みたいな、現実との摩擦がもっと起きそうな気もしますが…。例えば視界とられて交通事故とか、バトルで動き回ってたら散歩中のおばちゃんとぶつかったとか。まあこの辺はAR全般の課題かもしれませんね…。ウェアラブル端末になったことで現代よりは解消されてそうですけど。

 …ってかオーグマーって結局フルダイブ可能なんですね。記憶をいじる機能が付いてたり、実はフルダイブ可能だったりと…。総務省その他、リリースする前にしっかり確認してくださいお願いします…。

 いやぁやっぱり脳に影響大きいタイプのテクノロジーって危ないよね…。

 

 一方で「光」の方にに目を向けると、

ウェアラブルのARデバイスとかサポート用のドローンとかは見ててすごくワクワクしました。現状のスマホ操作とかより事故減りそう。手になんも持たんでいいから操作楽ですし。リアルでも早く実現してほしいですね。SAOはこういう妄想もできるから楽しい。

 あとゲームボーナスが協賛企業のポイントとかクーポンってのも凄く面白そうだなって思った。(こなみ)

 

 

▼その他ひとこと

・キリトくんレベルあげるの早すぎでしょ。

アスナの母性が半端なかった。尋常じゃない正妻感。

シノンのポジションが絶妙ですよね。SAOサバイバーとは別の形でさりげなく救いの手を差し伸べる姿に胸を撃たれました(GGOだけに)。なんだかんだでキリトのバイクに乗れちゃってるのも微笑ましかったです。

リーファの出番やたら少なかったのが悲しい。

・作画凄すぎた。バトルシーンは圧巻の一言。

・「スリーピング・ナイツ」の面々が登場しきれてなかった気がします。シウネーさんは確か完治したんですよね…?

他の人たちはただログインしてなかったのか、或いは…。後者だったらとても悲しいです。

・EDの後まで残っててよかった~。次回作に期待したいですね。

 

 

▼おわりに

 総じて、非常に完成度の高い映画でした。やっぱSAO最高です。これを機に原作全巻買うことにしました。

 こういう大作を観ちゃうと、改めて「自分は物語に生かされているなあ」と感じます…。今後社会に出るにあたり、消費者としてだけでなく供給者として、何か物語に関われたら嬉しいですね。自分を支えてくれる物語に少しでも恩返しがしたいです。

 

 なんか臭いこと言ってしまいましたが…。SAOが描く未来は決して絵空事ではなく、それこそ数10年後に十分起こり得る未来だと思います。過去を振り返り、未来への想像力を育む上で、この映画は非常に観る価値のある映画だと、私はそう確信しています。

しかし本当に良作だった…。せっかくだしあと5回くらいは劇場に足を運びたいと思います。ではまた。